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経営者になろう – あなたはもう職人でも、従業員でもない

タイトルからビジネスを始めよう、という趣旨かと思われるかもしれませんが、ちょっと中身が違います。

あなたの職業は経営者である

何か雇われて仕事をしていて独立する方も多いと思います。例えば、レストランで働いていて、自分でレストランやテイクアウェイショップを開く、ウェブデザイナーで働いていて独立する、お土産屋で働いていて、お店を開く、車の修理工場で働いていて、自分で修理工場を開く、弁護士事務所で働いていて、自分の事務所を開くなどです。

この際に注意すべきことは、

あなたは今日からシェフでもなければ、店長でもなければ、メカニックでもなければ、弁護士でもなければ、ライター、ビューティーセラピスト、ウェブデザイナーでもない、

経営者

です。

ということです。

当たり前じゃないか、意味が分からない、という方がいると思います。

これはどういうことかというと、今までは雇われで、自分が任された仕事を行えばよかったのです。シェフの方ならお店のメニューに沿って料理を作る、提供するです。目的は毎日の業務の追行、順守です。

しかし、自分でビジネスを開くとそうはいきません。自分でビジネスを開くと、売上を上げて儲けていくということが目標になります。ビジネスを開く目的はお金だけではありませんが、儲からず大変な思いをするのも好ましくありません。このためには

何を売るか、どのように売るか、どうやってお客様を集めるか、といったビジネスとしての戦略が必要になります。細かいところでは、どのような商品を売る、どれくらいの値段で売る、マーケティング活動、スタッフ募集、教育などです。これに加え、会計記帳、決算などやらなくてはいけないこと(順守事項)も増えます。従業員に文句も言われます。できない従業員にイライラすることもあるかもしれません。つまり、雇われている時には主たる仕事ではなかったマネージメントとしての仕事が加わります。加わるどころか、こっちをきちんとやらないといけません。これは、職人、従業員から経営者になるということです。

経営者になることで、スタッフ、その家族の生活も担うことになります。税金もPAYGペイメントサマリーという紙一枚をもらってタックスリターンの返金をもらって喜んでいたのが、経営者として税金を払うことになります。法律に順守しているかといった法務も考えなくてはなりません。

この経営者になる、というのは皮肉なことに、職人、専門家として優秀な人ほど経営者になれない傾向にあります。これはその道の優秀なプロであるが故です。

ビジネスをサッカーのフィールドで考えるもぜひお読みください。

マインドセットを切り替えよう

独立してもそんなに稼げないことが多いのは、このマインドセットの切り替えをしておらず(できず)、今まで雇われていた時の延長線上で自分のビジネスを行ってしまうからです。必ずやることは増えるので、今までより収入が落ちた、同じくらいなのに自分の労働時間は増える、という残念なことが起こってしまいます。特に人件費の高いオーストラリアでは雇われてた方が労働時間は少ないのに、収入が多かった、ということが起こってしまいます。これを克服するには、経営者になるのです。

マインドセットというのは経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。暗黙の了解事項、思い込み、価値観、信念の集合体です。

このマインドセットの切り替えで何が起こるか。

学ぶようになるのです。

学ぶといっても机に座ってお勉強をするわけではありません。今までは自分の業務に関係のあることだけ目についたものが(これすらせず毎日マッタリというのもあるかもしれません)いろいろなことに“アンテナを張る”ように(張らざる得ないように)なります。シェフだった方が、今まで縁のなかったマーケティング、会計、税金、法律、人、世の中のニュース、トレンド、ウェブサイト、IT、他の業界に目を向ける機会になります。

マインドセットを変えることで、総合力を上げ、戦略、どうやって売上を上げていくかの仕組みを考えることが重要になります。

中小企業の多いオーストラリアはビジネスを始めること自体は簡単です。しかし、簡単が故にマインドセットの切り替えをせずに初めてしまい(え)ます。

いいものを提供する、作る、スキルがあるのでこんな程度ではないのに、という勿体ないビジネスにも多く出会います。

ビジネスは人生の縮図です。ビジネスにはあなたが詰まっています。自分の行うことで多くの人を幸せにもできますし、不幸せにもできます。もちろんお金を稼いで好きなものが買えるかもしれません。自分の自由な時間を増やし、やりたいことをする、家族との時間を増やすといったこともできます。オーストラリアの日本代表としてオーストラリアで日本人であることの存在感も示せます。

ぜひ一度日頃の業務から一歩引いて、経営者としての仕事を考えてみてはいかがでしょうか。

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