永住ビザ保持者、駐在員、ビジネスビザ、学生ビザ保持者、ワーキングホリデービザの方も皆、ビザが切れたり、都合によりオーストラリアを離れることがあるでしょう。
この際に税金に関わることを忘れてはなりません。
オーストラリアを出国、とは言っても、いろいろな動機、期間があると思います。一週間の短期のホリデーから、数か月、1年の中期、2年を超える長期、もう戻ってくるビザがなかったり、戻ってくる気もない、などといろいろなケースが考えられます。
永住ビザ保持者はまた戻ってこれますが、ビジネス、学生ビザ、ワーホリビザのような一時滞在ビザの場合はまたオーストラリアに住みたいと思ってもビザがありません。このようにビザや、戻ってくる“つもり”の現実性、度合も異なります。
なぜ、このようなケース分けが必要かというと、オーストラリアの税法上の居住区分に関わるからです。実際に住んでいる、住んでいないことが必ずしも居住区分には影響しません。
2017年タックスリターンで多くのワーホリが驚きの結果を得たように、ワーキングホリデービザの方でオーストラリアに住んでいるにも関わらず、税法上の非居住者となった方が多いのも同じです。逆にオーストラリアに住んでいないのに、税法上の居住者となる方もいます。
オーストラリアを完全出国する前にすること
オーストラリアを完全に出国、永久に出国という場合は、通常は税法上の非居住者となります。この場合、
- タックスリターンで出国する日(厳密には税法上の居住者が終わる日)を報告する
- タックスファイルナンバーをキャンセル(凍結)。これは4をクリアしていないとなりません。
- お持ちの方はABNをキャンセル
- 銀行利息を生む銀行口座、株式、投資信託を閉めずに、そのままにしていく場合、金融機関にオーストラリアを完全出国し、税法上の非居住者となるため、源泉徴収をするように頼む必要があります。これをしないと、投資収入だけのために毎年タックスリターンの申告義務が発生します。
- オーストラリア市民権をお持ちでHELPという大学へ行く政府ローンの債務が残っている方はオーストラリア出国後も毎年ATOに収入を報告する義務があります。
- 政府から子供手当、補助金、年金をもらっている場合は、Department of Human Servicesに停止の手続き。
- myGovを登録してしまった方はオーストラリアを出国するとmyGovにログインできなくなるため、オーストラリアに戻って来る予定のない方はオーストラリアにいるうちにmyGovをキャンセルする。もし戻ってきても再度myGovは登録できます。
特に4番は重要です。
日本の超低金利時代の中、オーストラリアの定期預金やセービング口座の利率はまだ、1%から2.5%です。せっかくオーストラリアに来てこんな夢のような日本の1000倍の利息の付く口座を開いたのですから残しておくのも得策です。
どうなったら税法上の非居住者となるか、という判断は難しい場合があり、特に、永住者やオーストラリア人の税法上の居住区分は一筋縄ではいきません。これはオーストラリアを離れる期間、理由、資産配分、家族構成、上記のビザなどいろいろな要素で判断します。
よくあるのが、ワーホリや学生ビザなど以前にオーストラリアに住んでいて、他のビザなどで再度住んだ際に罰金を喰らっているケースです。
ABNはキャンセルが必要
ABNを持っている場合ABNによる収入がなくとも毎年タックスリターンの申告が必要となります。ABNは使わないならキャンセルをする必要があります。Ezy TaxでもABNのキャンセルを承っております。
タックスリターン早期申告について
7月を前にオーストラリアを完全出国する場合(通常ビザがもうない、2年は最低戻ってこないなど)、タックスリターンを7月を待たず早めに申告できます。ただ、これは早く申告してよい、というだけで早く申告しなくてはならない、という意味ではありませんので7月以降の通常期に申告しても全く問題ありません。
また、ATOでの処理が通常のタックスリターン申告より長く、通常1,2か月かかります。
日本の銀行への送金
できればオーストラリアの銀行口座を取っておき送金することをお勧めします。オーストラリアドルを日本へ送金する際はWiseがお勧めです。
オーストラリアのOnline Saverなどの口座は日本の定期預金よりも利率がよいため貯金のために取っておくと日本の銀行に預けるよりも利率はよくなります。日本で外貨預金をするようなものです。
また、オーストラリアの銀行カードにはビザやマスターカードが付いているため、日本のインターネットショッピングなどでも使えます。