日頃意識せず使っている言葉ですが、大小や強弱などには定性的な表現と定量的な表現というのがあるのをご存知でしょうか?
定性的と定量的とは
定性的というのは
大きい、もっと、強く、すぐ、など大小、強弱で表し、数字を使わない抽象的な感覚を元にした主観的な表現
です。
これに対し、
定量的というのは
具体的な数字を出すなどして、誰もが分かる基準での客観的な表現
です。
売上を上げていかなくてはいけないというのが定性的な表現で、売上を20%上げるというのが定量的な表現。もうちょっと右に寄せてが定性的な表現で、あと5メートル右に寄せてというのが定量的な表現です。
女性と食事に行き、食事に2人で500ドルかかったから、男性が自分が251ドル出すから残りの249ドルを出してください、となるとウザい男になるかもしれません。それよりは、男性が多めに出すという表現の方がまだしっくりきます。今年の売上は去年の売上より多くしよう!というのは具体性に欠けることになります。これに対し、去年の売上がXXによりXXドルだったから、今年の状況と改善点はXXでXXを解決することによりXXドル目指したい、とう具体的な目標、ゴールを決めることです。
定性的な例
- 来年は売上を上げたい。
- コストを削減する。
- いつか店舗を増やしたい。
- できる限り節約する。
- すぐにやります。
- がんばれ。
- 近いうちにできます。
- 夏が来るまでに痩せる。
- 長生きしてほしい。
- 今年は去年より勝ち星を増やす。
- 会計士資格を取りたい。
- いつかご飯食べに行こう。
- 年収を上げる。
- 起業する。
定量的な例
- 来年は30,000ドル売上を上げたい。
- コストを5%削減する。
- 2022年までにシドニーエリアに3店舗をオープンする
- 今月は300ドル節約する
- 10分以内に取り掛かります。
- あと30分やってみよう。
- このレポートはあと2週間あれば終わります。
- 水着を着る11月までに3キロ痩せる。
- あと3年生きていてほしい。
- 今年は去年より5勝多く勝つ。
- 2024年までに会計士の資格を取りたい。
- 1か月以内にはご飯を一度食べに行こう。
- 年収を80,000ドルにする。
- 6月までに起業する。
定性的、定量的を使い分ける
特に日本人は、日本語が抽象的な表現が多い言語、阿吽の呼吸やなんとなくで処理してしまう文化のため余計に注意が必要です。定量的な表現の問題は、受け手と話し手の感じ方が変わってくるといった認識のズレの原因となることです。このズレは自分自身の中でも起こります。
自分の上司やビジネスオーナー、先生、両親に売上を伸ばせ、とか、もうちょっとがんばれ、など言われ、「じゃあ、いくら伸ばせばいいんだよ」、「何を頑張ればいいんだよ」という経験をされた方もいるかと思います。これは自分の頭の中でも同じことが起こり、いつかやろう、来年がんばろう、などとなるといつまで経っても行動できません。このように、定性的だけではゴールの達成が遠のいたり、受け手と話し手のミスコミュニケーションの原因になります。
逆に、あまり定量的に考えていては、理屈っぽい感が出てきたり、空気が読めないことになる可能性があり、ウザいやつになったり、失礼な表現になったりすることもあるでしょう。
このように、両方を意識しながら、どちらの“判断枠組み”で表現、目標設定、コミュニケーションをしていくか考えることが大切です。
定量的に考えるメリット
状況によりどちらを使うべきかは変わってきますが、ことビジネス、投資、目標設定などに関しては定量的な考えを持つことで、目標に具体性が出てくる、やるべきことの発見がし易くなる、相手が分かりやすいといったメリットがあります。
- ビジネス
- お金
- 投資
- 仕事
- 人的管理
- 目標設定
には定量的な考えを使うとうまくいくことがあります。
ビジネス、投資、従業員の士気、恋愛、目標達成など日々の生活に定性的、定量的な考えを使い分けたり取り入れたりしてみてはいかがでしょうか。
おまけですが、この定量的な表現というのはマーケティングにも使える考え方でウェブサイトやチラシ、ランディングページなどにも使え、本質は一緒です。これは機会があればお話しますが、東大生の多くが利用している文房具、よりは東大生の10人に1人が利用している文房具、の方が売れることが多いというわけです。