弊社ではブログやフェイスブック、コラムの寄稿でも7月の早い時期にタックスリターンを申告しない方がいい、と奨励しております。これはATOも警告しています。特にタックスリターンがよく分からない、慣れていない、という方はなおさらです。多くの税理士事務所では売り上げ増のため知ったこっちゃないとそんなことは言いません。私の昔いた会計事務所も売り上げ増えるから無視してやれ、という感じでした。
確かに返金が早くほしい、というのも分かりますが、タックスリターンは補助金ではないので、早い者勝ちではありません。申告期限は税理士申告で多くの方は翌年5月15日です。タックスリターンはただ単に国に収入を報告する法律で義務付けられたものにすぎません。目的は収入の申告です。
なぜ、早く申告しない方がよいのか
雇用主は6月が終わると全従業員の年間の給料を確定させATOに報告します。この報告額を元にタックスリターンは申告します。よってこの報告が済むまでタックスリターンの申告ができません。この報告はビジネスがいつ行うかで早いところだと7月1日から遅い場合は期限の7月14日となります。この報告額とタックスリターンの申告額をATOは照合します。
そして、我々の収入はATOに報告され、国に握られています。詳しくはATOは知っているをご覧ください。
このデータを税理士は見ることができ、皆様のタックスリターン申告と照合することができます。銀行利息(特に共同名義)やちょっと働いた仕事、株の配当などご本人が思いもよらない、忘れている収入を見つけることができます。これにより、申告漏れを防ぐことができます。しかし、7月の早い時期ですと、このデータがまだATOに届いていないものが多いため、税理士の方で照合することができず、本人の申告のみが頼りとなります。
こうなると、過少申告のリスクが上がり、後でATOから連絡が来ます。
よく忘れられる収入は
- 銀行利息
- 株の配当
- 退職したが一年前の7月にちょっと被っていた給料
- 短期間でやめた仕事
- 投資信託(Managed Fund)
- センターリンクの補助金(ファミリータックスベネフィットは申告対象外)
です。
この過少申告が監査のリスクを上げることも忘れてはいけません。問題になるかどうかはもちろん金額にもよります。また過去に同じことをした回数にもよります。1,000ドルの銀行利息の申告漏れと5ドルの銀行利息の申告漏れのどちらが問題になるか想像は容易だと思います。また、もっと返金があったなどご本人が損をするケースもあります。
もちろん、7月に申告してはいけないわけでは全くありません。きちんと自分の収入を把握している方には全く問題のないことです。