ビジネスを行っていると必ず出会う用語Asset(資産)とExpense(費用)。ともにお金を使った時に出てくるものです。ビジネスオーナーの中にはお金を使っているのに、一体何が違うのだろうと疑問に思ったことのある方もいらっしゃると思います。
このAssetとExpense をここでは簡略版になりますが、違った角度から今回は考えてみましょう。AssetとExpenseともにお金を払ったときに発生するものです。では何が違うのか。
Assetは購入した会計年度だけでなく、未来の会計年度の売上、便益に貢献するもの、Expenseは購入した会計年度の売上、便益のみに貢献するもの。つまり、Assetは出費は今だけど、効果を出すのは数年に渡って、という原則です。経費計上するのもExpenseは出費した年に全額、Assetは数年に渡って経費計上することになりおます。
タックスリターンを申告した際に、仕事やビジネスのために携帯電話やパソコンを買ったのに、全額経費計上できなかった経験がある方も多いと思います。これも税金上のAssetとExpenseの経費計上の原理原則から来ています。
これを人生に当てはめて考えてみましょう。日々買い物、飲み会、などでお金を使う我々の生活。例えば、飲み会。ただ、飲んで食べて、その日を楽しんだ。これはその時の楽しみのために出費したExpenseです。しかし、将来のビジネスパートナー、コネ、結婚相手を作るという視点で飲み会に参加したとしたら、これは将来に渡ってお付き合いができ、未来に便益を生むという視点ではAssetとなります。
これはお金の使い方にも考えるところがあります。ブランド物の服を買う、いいものを食べる、これらも大切なお金の使い方ですが、これはどちらかというと一度きりのExpenseの側面が強いでしょう。これに対し、例えばお金を使って学校に行き、スキルを身に付けるというのは、将来給料が上がる、給料の高い仕事に就く、という意味では将来に投資し、便益を得るAssetと言えます。同じお金が手元にあったら、先に自分に投資をして、収入を上げてからいい服を着たり、いいものを食べたりした方が効率がよいのはこのためです。先にAssetに投資をして、そのAssetが生むお金でExpenseを使う、という発想です。
私自身の経験では、騎手として稼いだお金や空いた時間を会計士、税理士、MBAなどの勉強に投資し、会計事務所を開業し新たな収入源、楽しみを生む、ということになります。
もちろん、機会があれば別の機会で説明しますが、便益というのは売上のようにお金だけで計れるものだけではありません。
ちなみに個人の税法では300ドルを越える経費は数年に渡って経費計上します(減価償却)。(スモール)ビジネスでは今会計年度(2018年)まで20000ドルまでは買った年に経費計上できます。
今回は会計士がまず話すことのない視点で会計用語を説明してみました。
毎日の出費がAsset的要素なのか、Expense的要素なのかを意識して生活してみるのも面白いでしょう。