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利益の公式 – ビジネスはこの式に集約される

私は職業柄どうやって体重を維持しているのかと聞かれます。ビジネスにおける利益もダイエットと似ています。入ってくるもの、出ていくもののバランスによって決まるということです。

お金を稼ぐための最も基本的な数式

ビジネスや会計の知識がなくともなんとなく分かる下記の式。利益というのがどのように導かれるかは、

利益=売上 – 費用

です。

これをもうちょっと噛み砕いて見てみましょう。

売上は

顧客単価 x 顧客数

で決まります。

顧客単価はお客1人当たりが支払う金額、顧客数はお客の数です。

本来は顧客獲得コストや、顧客原価などもっと細かい変数で考えていかなくてはなりませんが、今は単純に考えましょう。

つまり上記2つを合体させると

利益 =(顧客単価 x 顧客数)費用

です。

これは簡単な算数ですが、このシンプルな式にビジネスの利益の全てが集約されています。

利益を上げるには、

  1. 顧客単価を増やす
  2. お客の数を増やす
  3. 費用を減らす

のどれかしかありません。

マーケティング、広告、ITシステム、人を雇うのも結局はこの式の利益を上げるという目的のための手段にすぎません。この数式のどれを、どうしていくのかを考えるのです。

ダイエットもそうですが、筋肉をつけて代謝のよい体を作ることで、出ていくものを効率よく出すことが出来ます。入ってくるものも、どうせなら太らない割にお腹の膨れるもの、組み合わせを食べるとよいでしょう。ビジネスでも同様です。入ってくるもの(売上)、出ていくもの(費用)を効率よくする仕組み作りが重要となります。

さて、利益を増やすには顧客単価を上げる、顧客数を増やす、費用を減らす、の最低どれかを達成する必要があるわけですが、お客様が殺到してもタダで配っていれば掛け算なので売上はゼロです。どんなに高い商品を売ってもお客が来なければやっぱり売上はゼロです。費用が売上より多いと売上がいくらでも費用が多いため利益はゼロです。

この3つのバランスは戦略によってまちまちです。どれか1つにフォーカスする必要はありませんし、できません。1つを変えると他の2つが変わることだってあります。

しかし、単純に入ってくるものと出ていくものだけを考えるわけにはいきません。無理なダイエットは体を壊します。反動もあります。私も何度かサウナで倒れたこともあります。同様に無理な経費削減、売上目標も長くは続かないでしょう。

日本で賞味期限切れの食材を使ったなど、ビジネスの不正に関するニュースを聞きます。これは12を上げるのが難しくなってきた結果、3の費用を無理やり下げようとした結果です。よく現金払いのキャッシュペイなどで時給15ドルなどで働かせるインチキもこの3の費用を下げるためです。3の費用を下げるというのを不正により乗り越えようとするのです。

費用の削減よりも売上の増加を目指して

費用削減も大切だが、利益を上げるにはビジネスの本来の目的である売上の方を伸ばす努力をする方が重要であり健全です。オーストラリアはまだ日本ほどの激しい競争もなく売上を伸ばすことに関してまだ伸びしろがあります。例えば、年間2,000ドルの電話代を1,500ドルに減らすことに注力するのなら売上の増加に注力するべきだということです。費用の削減はもちろん大切ですが、500ドルの費用の減少がビジネス全体から見れば大きな要素ではないのです。

顧客単価 x 顧客数 = 売上

ですが、これも2つの変数のバランスによって決まります。この売上を上げる方法は2つしかありません。

  1. 顧客単価を増やす
  2. お客の数を増やす

です。

値段を安くして顧客数を上げるのも手ですが、これでは数をこなす仕組みが必要となります。逆に顧客単価を上げることも重要ですが、値段を上げることによりお客数が減る可能性があります。ここでは詳しくは述べませんが確かな戦略が必要となります。価格弾力性(価格を上げると需要がどれくらい減るかの度合いの数値)も考える必要があります。

今やオーストラリアでも有名な我が広島発のDaisoや日本の牛丼屋などは2の顧客単価は減ってもお客の数を増やし、その結果掛け算の値を大きくするというわけです。Daisoなどはレジの前に商品を置き、列に並んでいる間にもう一品買ってもらおうとする顧客単価を増やそうとする戦略も見えます。

逆にルイ・ヴィトンのバッグなどの高級ブランド品の場合、2は少なくとも1の単価が高いために掛け算の値が大きくなります。

最近東京に行った際によくお寿司を食べに行きます。銀座や六本木界隈には客席が10席もないおまかせコース数万円というところもあれば、一皿100円のこんなに安くてよいのかという回転ずしもあります。前者は客席が少なく、お客もゆっくり食事し回転率は低くなります。つまり、2のお客の数は少ないということです。しかし、1の単価が高いため、席数、回転数が少なくても掛け算の値が大きくなるということです。これに対し比較的広めの店舗で席数も多く、回転率も高い回転ずしはこの逆です。オーストラリアの某回転ずしチェーンは顧客単価も高く、回転率も高いという両方を達成しているためにあれだけの活躍ができています。

よくマクドナルドやKFC、ラーメン屋などでセットメニューというのがあります。

「ポテトとドリンクがセットでXXドルお得!」

みたいなのです。これはセットでお得感を出すことでお客にセット商品を購入してもらい顧客単価を増やすのが目的です。

車のグレード、オプション、アクセサリーなども同様です。他には「一緒に申し込めば何%割引!」なども同様です。

この考え方はビジネスを始めたり、購入する際の指標ともなります。この式をシミュレートするだけでもビジネスを始めたり、購入したりする際の指標になります。例えばレストランなら顧客単価が15ドルなら170人の来客がないと11,000ドルの売上すら確保できません。

 つまり、ビジネスを始める、買う前から勝負がある程度見えている可能性があります。

実は個人の富を増やす方法も本質は変わらない

この入ってくるもの、出ていくものという売上と費用の考え方は実はビジネスだけではありません。個人のお金の増やし方も本質は同じです。切り詰めて生活するのもよいですが、収入増を狙いスキルアップ、収入の高い仕事を選ぶことも大切です。お金の出費の考え方やお金の話についてはリクエストがあればまた今度。

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